雑感シリーズ

関東学院大学  本間 英夫



不正、疑惑のオンパレード??



機密費流用、高級官僚汚職、秘書名義貸し疑惑など、お金にまつわる不正が最近、一気に暴露されてきている。

 機密費流用では、かなりの数の、与野党議員の名前が挙がり、背広の仕立券だとか、車を贈られたとか唖然としてしまう。清らかな心をもっていれば、これらの不正に自ら手を染めることはないのに・・。おそらく初めは、ほんの挨拶代わりの行為から、徐々に不正に対する感覚が鈍感になり、増幅していったのであろう。議員の中には毅然とした人はいないのか!

 いわゆる大物政治家とは、政治に莫大なお金がかかると、税金の還流の仕掛けを作り、派閥の長となって、集金マシンの仕掛けを構築してきている。政治献金の名のもとに、特に公共事業がらみの献金は、とどのつまりが狡猾な税金の還流方法でしかない。その他の企業献金も、結局は利益誘導のためであると断言できる。そうでなければあとは谷町。

 

政治家に頼らねばならぬ理由はどこにあるのか



 公共事業は、確かに政治家の力が大きく及んでいた領域だ。これからは、今までの経験を生かして、公正に企業が競争できるように変えられていくであろう。

 政界のプリンスと言われていた加藤紘一氏の、政治資金の私的流用疑惑で議員辞職。外務省に関する鈴木VS田中問題。これらの疑惑や問題に端を発して政界がいい方向に大きく変わるであろうか?

 外務省の鈴木降ろしに至っては、機密解除と押印し機密文書を世の中に出すこと自体が、外務省のキャリアも、ノンキャリアも何をしているのだと言うことになる。

 機密は機密だ。外部に漏らす機密文書、これでは全く官僚に責任を持たせられない。機密解除をするのは歴史として後世に残すために、何十年後に解除すると言うのならわかるが、あまりにもずさんで、こんな馬鹿げた茶番をやっているから、日本国家自体が信用されなくなってくる。

 あの威勢のよかった大阪弁で、まくし立てていた辻元議員。いずれのテレビ局のコメンテーターも、同情のコメントはしていたが不正は不正と手厳しい。小悪は厳しく断罪され、巨悪にはなかなか司直の手が入らない。私的に流用していたのなら犯罪で問題は大きいが、国から出ているお金をブレーンや、手足になってくれる秘書に分けていたと言うのだから、手続きをちゃんとやっておけば何ら問題は無かったのに。

年上の議員に対する発言、首相に対する発言、国会答弁を聞いていると、人を敬う気持ちが無くあまり好きになれない議員ではあったが、あの威勢のよさから辞職する前に、議員の不正に関してもう少し切り込んでおれば、政治浄化が加速的に進んだかもしれないと悔やまれる。

 殊に、秘書疑惑に関しては、多くの議員が不正を起こすと、まことしやかに報道されてきている。今の政治システムでは、政治家一人では何も出来ないと言う。公認の秘書3人、その他、何人もの秘書を雇わねばならないと言う。大物政治家は何十人もの秘書を雇っている。中には奥さんを秘書にしているかなりの大物議員もいる。平然と、「地元でのあいさつ回りがあるので。」だと・・。それが秘書のやることなのか。

 辻元元議員のように弱小野党議員には、党からも資金がほとんど回ってこなかっただろうし、公的に支給される秘書の給料をシェアーし、一生懸命やっていたのに。

 参考人での質疑を聞いていると、議員時代の歯切れのよさは全く失せてしまっていた。本当は言いたいことが山ほどあったのだろうが、自分だけの問題ではなく、ひょっとしたら解党的なところまで行きかねないので、ここはジーッと忍の一字だったのか。



真の構造改革



 この際、思い切って議員の数を減らし、あのスピーカーでがなりたてる候補者の連呼、辻説法もいいが、これだけメディアが発達している中で、今までのやり方は思い切って止めにして、インターネットや新聞、ラジオ、テレビでの政策方針を述べるにとどめるのがいいのではないか。

 また、これらに関しては、資金力にものを言わせるのではなく、全て税金でまかなうようにする。親分、子分、派閥は全て解消。料亭会談などプライベートなら別にいいのだが、テレビであんなシーンを映さないで欲しいものだ。

 日本の今までの政治における慣行は、この際、全て止める。それには、同じ器では上手くいかないだろう。思い切って、一気にどろどろしているものを全て吐き出し、現在の閉塞した状態から脱却するために解党、再編成をしない限り上手くことが運ばないように思う。

 この十数年じわりじわりと国の力が弱体化し、国が6百兆以上の借金を抱えて破産状態になっているのに、危機感が国民には伝わってこない。このじわりじわりと体力が低下しているのを直すのは一番大変だ。自覚が無いだけに瀕死の重症のようなものだ。国民からの9割近い支持を得ていた時も、改革は緒についたばかりで大きく前進しなかった。前進できなかったのかもしれない。抵抗勢力、守旧派からの圧力で・・。

したがって、居丈高に構造改革と叫んでみたものの、器が変わっていないために、改革は一向に進まなかったのだろう。痛みが伴うと、民間だけは不良債権の処理、持ち合い解消、思い切ったリストラ、それに伴う失業率の大幅アップ。その間、政府が実行すると約束していた改革は、一向に進んでいないように見える。

しかも、現体制での改革の困難さは、今回の郵政事業の民営化法案ではっきりした。民間参入を促す法案が、現首相の構造改革の最大目標であったのに、規制が多すぎて民間から参入はないという。これでは改革を期待していた国民も落胆・・。

 小泉人気も、これでは再上昇は期待できない。折角、国民の人気をバックに思い切ったことが出来そうな気がしたが、やはり器が同じでは摩擦が大きくて、思ったようには改革が進まないのであろう。また、官僚主導の行政を変えないと、上手くいかないだろう。

 フットワークのいい民間企業は、この間に思い切った改革をすすめてきている。進めざるを得ない。つぶれてしまうのだから・・。したがって、駄目な企業が集まって、肥大化しているにっちもさっちも行かない企業は、いずれ衰退の運命をたどることになる。でも、日産のゴーン社長のように外国の人の手を借りて、情に絆されないで強引にリストラをやれば別だが。このまま、ダッチロールよろしく国の衰退を放置するのか。

都知事の動きが最近取り沙汰されている。田中真紀子は、あの疑惑で後退してしまった。したがって、カリスマ性のある政治家は、都知事以外もう他にはいない。

さて、どうなる?どうする日本!



道徳教育の大切さ



なぜこんなに不正が起こるのか?人口の8割以上が戦後派となった現在、戦後教育を振り返ってみると、偏差値教育、受験のための勉強、さらに情操教育はなおざりにされてきたのではないだろうか。

道徳教育や情操教育の重要性を、声を大にして訴えると、この戦後50年以上は軍国主義につながると、それを避けるような風潮があった。確かに、方向を間違うと大変なことになるであろう。

 しかし、教育方針が有識者を交えて大所高所から決定するのであるから、おかしな指導書は出てこないはずである。また、一部には試験的に採用されているとも聞くが、先生にだけ教育を任せるのではなく、教育実習生の若者からシニアまで、色々な立場の人に来てもらって授業をしてもらったり、自分史を語ってもらったり、課外授業をもっと取り入れるようにする。そうすれば、自然に情操や道徳意識が高まるであろう。心が豊かになれば不正は起きないだろうし、自ら善悪の判断はできるようになるはずである。

 我々の社会が、こんなにも不正だらけで混乱している状態から、正しい方向に変化を起こすのは、取り締まりや法的強化ではない。純真な心を持つ子供の頃から、豊かな心で人生を送るように、何十年もかけて教育することが大切なのではないだろうか。



高速道路の老朽化



 四月下旬、都内の高速道路の、かなりの数の鉄柱にクラックが入っていると報道された。

昭和39年の東京オリンピックを目標に、高速道路網の建設が始まったので、古いものでは、すでに40年経過していることになる。当時と車の台数を比較すると10倍以上になっているだろう。したがって、車が通るたびに振動を伴う負荷が鉄柱にかかり、金属疲労および、以前にこの雑感シリーズで紹介したフレッティングコロージョンが起こるであろう。

一年程前のトンネル内でのコンクリート崩落事故もあったが、高度成長期に敷設された鉄道網、道路網は今まさに、老朽化が指数関数的に増加してくる。公共事業の予算が削減され新しい鉄道網や道路網の建設は凍結になっている個所が多いが、これらの老朽化に伴う補修が、もしなおざりになると大惨事になりかねない。

今回の鉄柱のクラック状態がテレビの画面に大きく映し出されていたが、状態は初期段階を過ぎ、かなり危険な状態にあることが素人目でもわかる。これからは、この種の危険性が指数関数的に上昇し、安全管理および対策だけでも莫大な費用がかかるであろう。国道や県道が年度末になると、あちこちで未だ充分に使用に耐えるのに、掘り起こし、舗装し直しが見られるが、むしろ安全管理のための補修に力点をおいてもらいたいものである。