雑感シリーズ

改革素案

2020.7.30更新
関東学院大学 材料・表面工学研究所
特別栄誉教授・顧問 本間 英夫

 
 教育機関としての魅力を高めるべく以下に示す改革の考え方を実行していただきたい。先ずは、これまで推進されてきた改革改善を踏襲していくことが基本であるが、これまで“特色ある学院づくり”、“選択と集中”と改革を進められてきており、その考えに沿って、学院全体の改革を実施していかねばならない。本学院は私が学んでいた半世紀前までは“英語の関東”と言われ、貿易都市横浜のミッションスクールとして名を成していました。今まさに国際化の中で、コミュニケーションツールとして実学をベースにした英語を駆使できるような教育を推進していかねばなりません。この“英語の関東”を復活させれば、幼稚園から大学院まで総合学園の魅力が大幅に増します。すでに、六浦中高は「英語コミュニケーション力」向上のモデル校として位置付けられている。また、大学においては各学部で海外との交流や国際会議が開催されるようになり、『英語の関東』の復活により国内は勿論のこと、いろいろな国から学生、研究員が集える学院に変貌していくでしょう。学院は開学以来、キリスト教に基づく建学の精神の下、教育が実践されてきていましたが、五十数年前の学園紛争以降、若干形骸化しているように感じています。各種の行事や会議の冒頭にお祈りする習慣や、チャペルの活用などを通してキリスト教に触れる機会を増やし、実質的に本学院の建学の精神を実践していかねばなりません。
 
改革事項
1.学園紛争前のようなキリスト教をベースにした心豊かな学園の復活
2.英語の関東の復活;全学部に英語による実学教育。学院全体を通して各専門領域の外国人教員の採用(国立大学では近年積極的に推進している)
3.付属高校からの大学への進学率アップ→付属校の教職員、生徒、父兄から大学の研究教育に魅力があると認識されれば、自然に進学率はアップする。
4.幼稚園から大学までの緊密な連携 先生方や学生、生徒の交流
5.大学および大学院教育の充実

    • 理工学系の単科大学では、大学院まで進学する体制を構築し50%以上博士前期課程に進学するよう努力されており、90%以上進学する大学もあり就職もほぼ100%。残念ながら本学は大学院進学率が20%にも満たないのが現状。他大学の学生の多くは大学院まで進んでおり、本学の学部卒の就職は芳しくない。博士前期課程までの6年間一貫教育、または他大学で採用し始めた学部3年で学士の資格を取らないで飛び級(5年間)で修士修了とする方法、高度職業人養成プログラム(BP)などを活用し研究教育に力を入れないと、ますます教育力、研究力が低下し、学院が淘汰されていくと危惧する。昨年度は理工学部の大学院への進学率が10%程度と聞いておりますが、理工系では大学院の進学率を上げることが喫緊の課題である。文系の文学部、経済学部、法学部はすでに大学院が設置されているがさらに充実させるとともに、栄養学部、看護学部、人間共生学部に大学院を設置する必要がある。

6.教員採用方法の見直し→○合の資格を持った教員が少なくなってきており大学、大学院のダウンサイジングが余儀なくされている現状を改善していく必要がある。
7.特約教授の見直し、貢献度に応じて定年の短縮または延長。大学教員のさらなる学会活動、社会貢献活動の促進→所属学会やその他社会活動での貢献
8.教員は評価を嫌う傾向があるが、教員間での適度な競争と協調が必要であり”ぬるま湯体質”からの脱却、意識変革が必要
9.国際交流、海外展開;グローバル化に対応した人材育成
10.改革のスピードアップ→事務組織のスリム化、効率化。フットワークよく迅速に
11.外部資金の獲得

    • 本学は他大学と比較して外部資金の獲得が少なく、今後はさらに科研費,JSTプロジェクト,NEDOプロジェクト等の獲得に向けて、教員一人ひとりの力を付ける。それには学部横断的な研究プロジェクトや大型プロジェクトの推進を。外部資金獲得に向けて申請業務に長けた人の配置が必要 

12.神奈川県,横浜市など地域との密接な連携

    • 地域社会への貢献を目的とした研究活動を神奈川県産業技術センター,横浜市工業技術支援センター、神奈川科学技術アカデミーとの連携強化→これらの研究機関のトップからは連携を強く要請されている。

13.産学連携の推進:本学は産学協同のルーツであり材料・表面工学研究所を初めとして、設備工学研究所、工学総合研究所、プロジェクト研究所等を核としてさらに発展させねばならない。さらには経済経営研究所、人間環境研究所、企業倫理から法学研究所、キリスト教と文化研究所、人文科学研究所との連携も。海外研究拠点との連携,また海外研究拠点の形成
14.材料・表面工学研究所は現在全国の関連企業六十数社と契約しているが、さらに潜在的に100社以上契約してくれる下地がある。利益相反にならないように契約企業を精選し契約を進めている。産業界では短期的な利益追求から、技術の伝承の重要性が認識され、社会人の再教育の要請が高まってきている。
15.大学院前期および後期課程の充実:高度技術者の養成に注力。特色ある大学院づくりとしては、高度技術者養成を目的として例えば博士後期課程として材料・表面工学院(材料・表面工学専攻)が3年前に開設され毎年、企業から5、6名入学、来年もすでに産業界から博士後期課程への進学希望者が数人。外国からも希望者があり。
 
その他
 大学へ入学後、自分のやりたい方向性を見定めることが出来ず、中途退学するケースが最近多いようである。⇒大学の学科の明確化(何をやるのか、どういうことを教えるのか)、大学が大衆化してきているので、実学を中心とした人材育成をアピールし、実践していけば自然に就職率は上がる。これまで就職は就職課に任せるとの傾向がどこの大学でも強かったが、教授推薦が、より確実にその企業に適した人材確保が出来ると認識されるようになり、各企業では特別枠を持っている。手前味噌になるが現役時代の研究室の学生は就職率が100%で就職課には殆ど依存しなかった。
 本学で学んで良かったと学生が満足し、産業界からも好評価が得られるような教育研究を実行していけるように、先生方の意識改革が必要である。最近本学の学生は能力不足と初めから学生との研究を諦めている教員が多くなったと聞くが、実学的な領域に重心をおき、研究環境を整えれば学生は大きく成長する。
 
 学院には多くの教育力と研究力に優れた先生方がおられる。是非その方々が「人になれ奉仕せよ」「サーバントリーダーシップ」の精神で活躍いただきたいと願っている。
 私自身は父親がクリスチャンだったので、日基傘下の幼稚園で教育を受け、さらには中学まで日曜学校に行っていました。本学への進学は親が勧め、教会への出席、聖書研究会、寮生活での御祈りなど豊かな学生生活を送りました。また教員になってからも、キャンパス内の暮庵で毎週旧約聖書から新約聖書まで聖書を学び、数十年に渡って牧師として仕えられていたデユローフ先生からは帰国される直前まで洗礼を勧められました。しかし、学生時代から第二恩寵の恵みがあると聞いていましたので、未だに洗礼は受けていませんが、愛をベースに教育にあたってきているつもりでおります。以上ごく常識的内容ですが、殆ど資金の投下をせずとも大きく改革できます。上記の提案を参考にされ実行されることを願っております。