愛犬たちとの生活とペットロス、そして読書

関東学院大学 材料・表面工学研究所
田代 雄彦

 「愛犬コーギーの長兄ミックが本日4/25の2時過ぎに亡くなりました…」と2016年にFacebookに投稿してから早くも4年が経ちました・・・。
 今から15年前に入籍し、奥さんに連れられてミック(♂3才;ウエルシュ・コーギー・カーディガン)が新居に越してきました。
 私は結婚して初めて犬との共同生活でした。結婚記念日が5月1日で、同時に自宅を購入したので、ほぼ11年間ミックと暮らしたことになります。元々イヌは嫌いでしたが、ミックはすごく性格が穏やかで、私にすごく懐いてくれたので、今から考えると、とても楽しく癒された大切な11年間でした。
 同居して直ぐに共働きでしたから、ミックが家で独りは可哀そうとの事で、7月にこゆず(♀0才;ミニチュア・ダックスフンド・ロングヘアー・ブラック&タン)をブリーダーから購入し、その翌年、近所の犬を救うNPO法人から保護されたばかりのサンタ(♂推定3才;ミニチュア・ダックスフンド・スムースヘアー・ブラック&タン・パイボールド)を引き取りました。さらに、翌々年の正月に出掛けたスーパーに併設されたペットショップで、私が一目惚れしたラクマル(♂0才;ポメラニアン・パーティカラー)を迎え入れ、あっという間に愛犬四匹に囲まれた生活になりました。
 
~~~奥さんの実家の父親の病状が悪化し、施設に入る事になり、娘の名前を忘れた状態でも、当時一緒に住んでいたミックだけは覚えている様で、最後に会わせてあげたいと言われ、急遽、週末の4/23に奥さんの実家のさいたまへクルマで向かいました。私は奥さんと愛犬達とクルマを残し、逗子に電車で帰り、翌朝迎えに行く予定でした。別れ際に、ミックはいつもと同じ笑顔で元気にお見送りしてくれました。
 ミックはてんかん発作を抱えており、毎食時に予防のお薬を飲んでいました。
 4/24の早朝6時過ぎに、ミックが発作を起こし、普段は1回でケロッとするところ、四回も続けて発作を起こしました。奥さんの姉さんに連絡し、板橋の24時間救急をやっている動物病院へ運びこみました。
その時、私は既に電車でさいたまへ向かっていたのですが、連絡を受け、途中下車し、病院のある常盤台へ向かいました。
 合流して、病状をきくと発作により体温が異常に高くなり、点滴と一緒に濡れタオルを全身に掛け、扇風機で体温を下げる措置がとられていました。
 犬は肛門に体温計をさして測りますが、ナント43度以上で測定器のエラーが出たとのこと・・・。その後、1度奥さんの実家に戻り、愛犬3匹と奥さんをクルマに乗せ、再度病院に行きました。
 担当の先生に伺うと、体温は39度程度に下がりましたが、オシッコが出てないとの事でした。でも、体温が下がったので少し安堵し、翌日仕事のため一路逗子へ戻りました。
 夕方、奥さんの姉親子が面会に行くと、呼び掛けると返事をしたそうですが、先生曰く、肝臓が機能していないとのこと。移動するなら、今という事で、姉のクルマに乗せ、ミックは逗子の我が家に戻ってきました。
 直ぐに掛かりつけの獣医さんに自宅に来てもらい診察。未だ、少し痙攣は出ていましたが、体温はほぼ正常に。窒息しない様に頭を高めにして、手や足や鼻筋などを奥さんと二人でさすってあげました。大好きなお家に戻って来たのが分かったのか?眼に力強さが出てきました。獣医さん曰く、状態を詳しく知りたいので、採血し1度病院に戻り検査、エコーと点滴の道具を持ってくるとのこと。
 獣医さんの戻りを待つ間、痙攣はおさまったのですが、呼吸が少し荒く、眼から力強さが無くなっていきました・・・。
 獣医さん到着と同時に機器の搬入、血液検査の結果、酷い脱水症状と低血糖との事で、早速、点滴開始。肝臓の数値は高いけど、機能しない程では無いとのこと。エコーにもオシッコが少し写りました。
 点滴とブドウ糖を注入開始すると、次第に目が潤み出し、力強さが戻ってきました。24時頃に獣医さんは帰宅、点滴の終わる翌朝8時頃にまた来るとのこと。
 24時の体温が39.8度、少し高いので冷媒で身体を冷やす。
 翌日1時の体温が39.2度で、正常な38度後半から39度前半に入り、一安心。呼吸も荒く無くなってきたので、少し休もうと…。
 インコが突然バタバタと暴れた音で目覚めると2時19分。
ふと見るとミックの様子に異変を感じ、触ると呼吸をしていませんでした・・・・・・。
 ミックはあと11日で満14歳の誕生日でした。誕生日にはパーティをしようと奥さんと以前から話していました。また、コーギースタイルという専門誌に3歳と9歳で掲載されたので、次は14歳で!と勝手に盛り上がっていましたが…、私たちの願いは届かず・・・(泪)。
 犬にも人にも、優し過ぎるミックが大好きでした。そして、私の笑顔の先生でもありました。
 上述のNPOの方が言っていたそうですが、一生懸命に愛情を注いだ犬は穏やかに死んでいくそうです。ミックもそんな感じで、苦しまずに天国へいきました。歳を重ねて二人とも覚悟はしていましたが、死は突然やってきます。
 ミックが私たちに教えてくれたことは、
 毎日(今を)一生懸命に生きること! たぶんそうだと思います。
 
 今朝、いつもと同じ時間に、習慣であるミックとの朝の散歩コースをゆっくりゆっくりと一人で歩いてみました。時間を計ると僅か8分!
ミックとの散歩はその3倍以上は掛かりました。ミックと一緒に過ごす時間は私にとって三倍濃かったんだ!と実感しました・・・(涙)。
 これからは、奥さんと愛犬・愛鳥たちと3倍以上濃い時間を過ごしたいと思います。これまでミックに関わってくださった、沢山の方々に感謝します。ありがとうございます!~~~
 
こんな記事をアップしましたが、その後、「ふっ」とミックのいない虚無感にかられ、突然涙が溢れることが度々あり、ペットロス症候群であることを自覚しました。この症状は全然治る感じはありませんでした・・・。
 
 私は週に1冊のペースで色々なジャンルの本を読むのが趣味ですが、2017年12月末に発売された私の大好きな作家の一人である喜多川泰先生の「ソバニイルヨ」(幻冬舎)を読んで救われました。

 確かにこう考えると、世界中どこにいてもミックに囲まれて生かされている自分の存在に気付きました。そして、突然涙が溢れてくることも少なくなった気がします。
 この本で、ユージは隼人にアイを教え、隼人は優しく、強くなって、大きく成長します。誰かの心に寄り添ったり、相手の立場に立って考えたり、両親や先生や友だちに感謝することをひと夏で体験します。私もミックにアイを教わったので、隼人のような気持ちの強い男になりたいと強く思いました。
 2017年12月27日、本の裏表紙に喜多川先生にサインを頂きました。
「自分らしくある強さを」
 人や言葉だけでなく、本との出逢いで人生が大きく変わることもあると体感させて頂いた一冊です。是非、皆さんもご一読ください。(了)