研究会の紹介とランサムウェア

関東学院大学
材料・表面工学研究所
堀内 義夫

#先端ウェットプロセス技術研究会のご紹介
 2021年4月に日本材料科学会内に「先端ウェットプロセス技術研究会」を立ち上げました。私の学部から修士時代の指導教官である山下嗣人先生にお誘いいただき、メンバーの一人として私も参画しています。
 先端ウェットプロセス技術研究会では、「低環境負荷・省資源化・省エネプロセス」、「理論の現場への適用と課題」、「新技術の開発」、「各種素材への応用」など、ウェットプロセスに関わる内容で幅広いテーマを取り扱っています。また、産学官から若手を中心とした委員会メンバーにご参加いただいています。
 日本材料科学会会誌「材料の科学と工学」では、59巻6号(2021年12月)と60巻1号(2022年2月)に先端ウェットプロセス技術研究会の特集号を掲載します。産業界とアカデミック界でご活躍されている方にそれぞれのご専門に関する解説を執筆いただきましたので、ぜひお読みいただけましたら幸いです。
 また、皆様のご協力もあり、すでに3回の研究講演会を実施してきました。現在、4回研究講演会を準備中で、2022年12月2日に関東学院大学金沢八景キャンパスおよびオンラインでのハイブリッド形式で開催いたします。発表や聴講の募集締め切りが11月18日になります。
 皆さまご参加をお待ちしております。
(http://www.mssj.gr.jp/kikaku3/r4_information.pdf)

#ランサムウェアの新たなる手口
 話は変わりますが、大阪急性期・総合医療センターが10月末からランサムウェアによる攻撃にあい、執筆現在でも復旧していません。
 サイバー攻撃への対策は喫緊の課題でありますが、スキルを持つ人材不足やコストがかかることなどからも、サイバー攻撃の基礎的な対策すらできていない組織もあるのが実情です。日本でもランサムウェア攻撃による被害は増加しており、今後も拡大し続けると考えられ、企業の90%がサイバー攻撃を受けるともいわれています。
 最近では攻撃者側にも新たな動きが出てきました。ランサムウェア攻撃シェア(?)の3割近く占めるグループのLockBitは、今年の6月ごろにLockBit3.0と名称とシステムをアップデートしました。LockBitはランサムウェア攻撃を犯罪ビジネスとして成り立たせており、サービスとしてのランサムウェア(RaaS)を提供し、ユーザーはBitLockにロイヤリティを支払います。また、LockBitはランサムウェアのバグ除去(Bug Bounty)や機能向上、組織内部の脆弱性をリークすることに対し報奨金を設定し、大々的にアピールしています。新しい技術やタクティクスで、今後もRaaSは拡大し続けると考えられます。
 サイバーセキュリティを取り巻く状況は、この2,3年で大きく異なってきました。数年前の古いイメージでのセキュリティ対策では現在の脅威に対して不十分です。組織の大きさにもよりますが、ただデータのバックアップを取っているだけでは、有事の際には大きなダメージを受けることになります。
 経産省では、中小企業のサイバーセキュリティ対策のためにガイドラインを策定し、補助金支援の対象となるワンパッケージでのサービス提供を進めています。詳しくは経産省のウェブサイトをご覧ください。
(https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/sme-guide.html)